CloudFront と S3 で静的コンテンツを配信するメモです。
静的コンテンツとは、
だれが見ても同じように表示されるコンテンツやWebページのことを指したりします。
動的コンテンツとはその逆で、ユーザーによって見せる情報が違ってくるコンテンツです。(例えばユーザーの登録情報とか)
クラウドでは、このようなコンテンツを分けて配信することで
コスト削減やパフォーマンス向上、さらに可用性を高められるので重要視されます。
今回やるのは
CloudFront と S3 を使って静的コンテンツを配信する
よくある方法です。
アプリケーションの規模は関係なく、この方法はよく取られる手法なので、知っておいて損はないはずです^^
CloudFront と S3 で 静的 コンテンツを配信する概要
全体像

とてもシンプルな構成です!
S3 を準備
バケットを作成
以下のように入力して「バケットを作成」します。
任意で入力する箇所は適宜読み替えてください。
バケット名 | 任意で入力 |
---|---|
AWSリージョン | アジアパシフィック(東京)ap-northeast-1 |
オブジェクト所有者 | ACL無効(推奨) |
パブリックアクセスをすべてブロック | チェックはずす |
デフォルトの暗号化 | 有効にする、SSE-S3 |
その他 | デフォルト設定のまま |
パブリックアクセスをブロックすると、バケットポリシーの変更などの
この後の作業ができないので注意です。
バケットポリシーを修正
バケットポリシーとは、このバケットを見ていい人、ファイルをアップロード・削除していい人など決めるための
バケットに対する操作権限の設定です。
作成したバケットを開き、アクセス許可タブのバケットポリシーを以下のように編集して保存します。
Resourceは、作成したバケットARNに合わせて置き換えてください。
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Sid": "Statement1",
"Principal": "*",
"Effect": "Allow",
"Action": "s3:GetObject",
"Resource": "【バケットARN】/*"
}
]
}

HTMLファイルを配置
index.htmlとerror.htmlを作成してバケット直下にアップロードします。

ファイルの中身は以下のようにしました。
index.html
<html>
Welcome
Tokyo Region
</html>
error.html
<html>
Error
Tokyo Region
</html>
静的 ホスティングを有効化
バケットポリシーを修正したら、
プロパティタブに移動して一番下までスクロールし、静的ウェブサイトホスティングを編集します。
以下のように入力して「変更の保存」をします。
静的ウェブサイトホスティング | 有効にする |
---|---|
ホスティングタイプ | 静的ウェブサイトをホストする |
インデックスドキュメント | index.html |
エラードキュメント – オプション | error.html |
静的 ウェブサイトの動作確認
再びプロパティタブの一番下までスクロールし、静的ウェブサイトホスティングのバケットウェブサイトエンドポイントをブラウザで開いてみましょう。

以下のようになったら成功です。
バケットウェブサイトエンドポイントへHTTP接続によって、ウェブサイトにアクセスできました!

静的 ウェブサイトのドメインをメモ
静的ウェブサイトの動作確認ができたら
そのドメイン(http://を除いたもの)をメモしておきます。
これをCloudFront作成の時にオリジンドメインとして設定します。
CloudFront を準備
ディストリビューションの作成
以下のように入力して「ディストリビューションを作成」する。
オリジンドメインはプルダウンから選択せず、先ほどメモしたドメインを入力します。
オリジンドメイン | さっきメモしたドメイン |
---|---|
名前 | 自動で入力されるので触らない |
ビューワー/ビューワープロトコルポリシー | HTTPS only |
キャッシュキーとオリジンリクエスト |
|
その他の項目 | デフォルトのまま |
CachingDisabledにしてキャッシュを無効にしているのは、開発中の変更がすぐに反映されるようにするためです。
通常は CachingOptimized とかで適切なキャッシュ期間を設定します。
ディストリビューションのデプロイ完了まで待つ
CloudFrontのデプロイが完了するまで数分くらいかかるので待ちます。
以下のようにディストリビューション一覧でデプロイが日付になっていたら完了です👇
作成直後
デプロイ完了
これで完了です!
動作確認
CloudFront にアクセス
作成したCloudFrontの一般タブに移動し、詳細のディストリビューションドメイン名をブラウザで開いでみましょう。
S3の静的ウェブサイトと同じように表示されたら成功です!
HTTPS接続によって、安全な接続で静的ウェブサイトにアクセスできました!

index.htmlを削除すると…?
S3バケットのindex.htmlを削除してみましょう。
すると以下のようにエラーページ表示されたはずです。

S3の静的ウェブサイトホスティングを有効にした際、オプションであったエラーページも設定したからです。
万が一、ウェブサイトでエラーが発生した場合でも、エラーページを設定しておけば、このように表示することができます。
終わりに
お疲れ様でした😊
とても簡単にウェブサイトを公開できましたね。
次のアクション
次のアクションはアクセス制限をすることです。
今のままでは、S3のバケットウェブサイトエンドポイントからアクセスできてしまいます。
これによるデメリットは
- HTTPアクセスできるので安全な接続でない
- CloudFrontを使わないアクセスの信頼性とパフォーマンスを最適化できない
- S3への直アクセス分、余計にコストがかかる
などでしょう。それに
せっかく、CloudFrontからHTTPSアクセスできるようにして安全な接続経路を作ったのだから、入口はこれ1つにしちゃいたいですね。
その方法として、カスタムヘッダー(Referer)を使う方法があります。
注意点として、Refererヘッダーで不正アクセス対策をするのは不十分だということです。ヘッダー値は見れますし偽装できますからね。
セキュリティとしては他の対策も導入したうえで、併用するのが良さそうです。
とはいえ、ウェブサイトへの入口を1つにする方法としてある程度は有効なのかなと思ってますので
次回はカスタムヘッダーで制限された静的ウェブサイトを構成してみようと思います。
こちらです👇

参考になれば幸いです👋
リソースが不要になったら削除することをお忘れなく!